本研究課題では、南アフリカ共和国・ブッシュフェルト複合岩体の超苦鉄質岩体が胚胎する熱水性白金鉱床の形成モデルを構築するため、熱水変質鉱物の詳細な観察と分析、鉱石と母岩の微量元素およびSr-Nd同位体比測定、PGE鉱化帯の岩石組織の定量的な解析を行う。さらに、本課題で構築された形成モデルを活用し、日本にとって重要な白金族元素供給源となるブッシュフェルト複合岩体北部地域でのさらなる資源の探査および確保に貢献することを目指す。
ゆざわジオパークの熱水変質鉱物を利用したマグマ~熱水系システムに関する教材開発(平成28年度湯沢市ゆざわジオパーク学術研究等奨励補助金) 研究代表者:越後拓也
秋田県湯沢市川原毛ー泥湯地域の地熱活動にともなう熱水変質鉱物の成因を明らかにすることを目的とする.
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灰長石巨晶とその包有物から探る島弧マグマの揮発性成分(日本学術振興会科学研究費平成28年度(2016年度)若手研究B 2016-2018) 研究代表者:越後拓也
日本列島に広く産出するCaに富む斜長石の巨大斑晶を用いて,沈み込み帯深部で発生するマグマ中の揮発性成分について海溝側から背弧側への組成変化を連続的に追跡することを目的とする.
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鉱物資源センター人財育成プロジェクト(独立行政法人国際協力機構技術協力プロジェクト2013-2018) 日本側プロジェクト分担者:渡辺 寧
モンゴルは、金、銅、モリブテン、石炭、蛍石、ウラン等の鉱物資源が豊富であり、これまで80種類の鉱物資源、1,000ヶ所の鉱床、8,000ヶ所の鉱物資源の存在が確認されている。鉱業のGDPに占める割合は2002年に10%だったものが,2010年には20%を超えるようになり,輸出額の80%を占めるなど鉱業はモンゴルにとって最も重要な産業となっている。特に、2008年の国家大会議で承認された「ミレニアム開発目標に基づくモンゴル国家開発総合政策」において、2015年までに地質調査、鉱物資源の探査事業を拡大すること、2021年までに鉱物・原料資源の総括的利用、廃棄のない自然環境に無害かつ高度な技術の導入、鉱業製品、特に非鉄金属・レアメタル鉱床を利用し高度な技術に基づいた付加価値のある最終製品の製造、工業団地の開発、環境の整備を行うなどの戦略目標を策定している。
このような状況において鉱物資源分野での中長期的な人材育成を行うものである.
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ドイツフライベルク市鉱物博物館terra mineraliaでのレアアース展開催(ドイツ連邦共和国博物館機能強化事業) 日本側代表者:渡辺 寧
本レアアース展はドイツフライベルク市鉱物博物館terra mineraliaにおいて2017年4月から8月に企画展として実施するものである.レアアース元素の役割や製品,鉱床,鉱石をわかりやすく,観客参加型の催しを通じて理解してもらうことを目指している.
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ドイツ連邦共和国とのセミナー「鉱業とサステナビリティ:地球環境保全のための資源開発」 (平成27年度日本学術振興会二国間交流事業セミナー) セミナー代表者:渡辺 寧
本セミナーは秋田大学国際資源学部とドイツ・フライベルク工科大学が中心となり実施したものであり,地球環境の維持・保全のために鉱業の果たすべき役割について議論を行った.これまで鉱業は地球環境を破壊するものとみなされてきた.現在では,一部の途上国を除いて,資源開発の際に環境保全を行うことは厳しく各国の鉱業法で定められている.また資源の価値を高め環境に与える負荷を抑えるために,鉱石から各種の副産物を生産したり,目的とする元素の回収率を高めたりする努力が行われている.
先端産業の発達した我が国やドイツでは,地球環境を維持,保全するための様々な工業製品が開発・生産されている.本セミナーでは,鉱物資源に乏しいが産業技術の発達した我が国と,立場の類似したヨーロッパを代表するドイツを中心とした資源系大学が,資源とサステナビリティをテーマとして,それぞれの研究成果を紹介し,これからの地球環境の維持・保全のためにどのように原料を供給するかについて討議を行い,共通の認識のもとに今後の共同研究を推進することを目的とした.
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ひらめき☆ときめき サイエンス~ようこそ大学の研究室へ~先端産業を支えるビタミン:レアアースを知ろう (平成27年度日本学術振興会ひらめき☆ときめき サイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI(研究成果の社会還元・普及事業 2015) 研究代表者:渡辺 寧
レアアースは強力な永久磁石の材料であり,ハイブリッド自動車のモーターや蛍光灯,セラミックナイフ,レンズなど身近な製品に必要不可欠な元素である.このプログラムでは秋田県内の高校生を対象に,レアアースの発見と利用の歴史,レアアース製品の特徴を学習するとともに,レアアース資源のもととなる鉱物・鉱石の観察を通してレアアースの資源問題とその解決方法について考える.
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モンゴル西部塊状硫化物鉱床の鉱床地質学的研究とその資源量評価 (秋田大学ーモンゴル科技大学共同研究 2015-2017) 研究代表者:緒方武幸
本共同研究では、モンゴル西部に分布する塊状硫化物鉱床について地質学的,鉱床学的,地球化学的な検討を行い,モンゴル西部の資源量評価に資する学術的研究成果を提供し,また,両大学の地質学,岩石学,鉱物学や鉱床学に関わる高い学術的研究・教育成果を促進することを目的とする。
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高速進展する断層ラプチャー先端の応力場と破砕現象の解明 (日本学術振興会科学研究費助成事業挑戦的萌芽研究 2011-2013) 研究代表者:西川 治
本研究では、地震性の固着すべりが発生する際のラプチャーの進展速度と局所的な応力場を明らかにする目的で、地殻物質を用いた高速摩擦すべり実験をガス圧式三軸圧縮試験機で行っている。脆性的な性質をもつ石英単結晶を用いた実験では、大きな固着すべりとともに、すべり面の周りで激しい粉砕現象が起きることがこれまでの研究から明らかにされていた。23年度の研究では、破砕組織の詳細な観察を行い、この現象は断層のずれにともなうせん断変形によるものではなく、断層ラプチャー先端部が通過するきわめて短い時間に生じる局所的な応力場の変化が原因であることが示唆された。石英多結晶体やガブロなどを組み合わせた実験試料でも同様の粉砕組織が形成されたことから、この現象は地殻を構成する結晶質岩では普遍的であり、その形成メカニズムを解明し新しい断層破砕帯発達モデルを提示することは、地質学および地震学に対するインパクトが大きく非常に重要であるという認識に至った。しかしながら、これまでの実験システムでは、観測点を多くとることが出来ず、固着すべり発生時に生じるすべり面近傍の歪場の変化を精確にとらえることが難しかった。そこで、これを大幅に改良し、5MHzのサンプリング間隔で最大10チャンネルを同時観測出来る観測システムを構築した。これにより、観測時の空間分解能が大幅に改善され、断層ラプチャーの開始点、進展速度と方向をより精確に決定できるようになる。予備実験を通して、大量のデータを安定して記録出来ていることやチャンネルの同期がとられていることが確認された。 実験と天然の破砕現象と比較するために、断層の周りに粉砕岩が報告されているサンアンドレアス断層と有馬高槻構造線で産状の観察と試料採取を行った。その結果、両者の組織の特徴は非常に似ていることがわかった。
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摩擦が作る超微粒子-物質地震学の新展開- (日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究A 2008-2010) 研究分担者:西川 治
自動乳鉢で摩砕で石英を非晶質化する過程は機械的エネルギーが化学的エネルギー(ジュール熱で表現)に変換される過程である。粉砕石英粒子の約60μm以上では500~600J/gで、摩砕で非晶質化すると約2000J/gまで増加することが明らかになり、機械的エネルギーが結晶内で化学的エネルギーに変換された量である。この変化量はXRD回折図形のピーク減少、すなわちアモルファス化(結晶内歪みや格子不整)を定量表現している。また、石英のCIと溶解熱量変化を検討した結果、アモルファス化(J/g)=-185.33(CI)+2677という直線近似式が得られた。単結晶石英を1軸圧縮破壊で得た粉砕粒子のサブミクロンの形状は厚さが10~20nmでフレーク状を呈し、更に小さい籾砕粒は直径が10~20nmサイズとなり、明らかにアモルファス化している。この様な石英の形状は従来知られていない。この破壊実験で得た粉砕は粒子内で消費したエネルギーは10^<10>ergオーダーであり、従来、波動エネルギーは10^8ergオーダーであるとするエネルギーの100倍程度になっている。この事は、破壊時の歪みエネルギーは不明としていたであるとの認識を改めると共に、地震断層で放出されるエネルギー分配を根本から再検討を迫る結果を得た。また20μmサイズ以下のXRD回折図形では、特定の方位面の結晶格子が破壊されており、従来の石英のCIは適応できないことが明になった。この石英のCIを測定することで、断層帯の粉砕粒子が回転運動の有無の判定に有効である可能がある。
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固着すべり実験とせん断面の高分解能観察にもとづく断層面の残留応力評価 (日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究C 2008-2010) 研究代表者:西川 治
地震性すべりに伴うラプチャー進展と断層のダメージを評価するために、ガス圧式三軸試験機を用いて人工石英単結晶および天然の石英多結晶体の固着すべり実験を行った。封圧180MPaの実験では、大きな固着すべりが発生し、試料はすべり面から数mm以上の深さまで細かく粉砕した。高い封圧下にもかかわらず,モードIの破壊様式が卓越し,せん断破壊の証拠は認められなかった。このときのラプチャーの進展速度は4km/sec以上でS波速度を超えており,ラプチャー先端から放射された衝撃波が,激しい粉砕現象をひきおこした可能性が示唆される。固着すべり後に断層面近傍に残留する応力を評価するために、EBSD法を用いて回収試料の格子歪解析を試みたところ、歪測定の定量が可能な明瞭な回折パターンが取得できた。
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重希土類元素およびインジウムの濃集機構と資源ポテンシャル評価の研究 (日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究A 2007-2010) 研究代表者:渡辺 寧
世界各地の重希土類およびインジウム鉱床の調査を実施し,ベトナム,タイ等東南アジア地域で重希土類に富む花崗岩風化殻を発見するとともに,日本,中国,ベトナム,ペルー, ボリビアでのインジウムの資源量の見積もりを行った.これらの結果,中国以外の地域でも重希土類およびインジウムの資源ポテンシャルが存在することが判明し,また鉱床成因のための必要条件が考察された.
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ラオス鉱業分野投資促進のための地質・鉱物資源情報整備計画調査 (国際協力機構 2006-2008) 調査団員:渡辺 寧
本プロジェクトは,2006 年3 月にJICA とラオス鉱工業省との合意に基づいて開始され,ラオス国にとって重要な外貨獲得産業である鉱業の振興を目的として、同国の,①Attapeu 地域の20 万分の1 地質図作成および鉱物資源調査、②ラオス全域にわたる鉱物資源情報のコンパイルと100 万分の1 鉱物資源図の作成、③鉱物資源に関するデータベースの構築と情報の発信を行うもの.
ザンビア鉱業分野投資促進のための地質・鉱物資源情報整備計画調査 (国際協力機構 2007-2009) 調査団員:渡辺 寧
ザンビア国の地質・鉱物資源の情報を整備し、その情報を公開することで鉱業分野に対する投資を促進することを目的としたプロジェクト.
モーリタニア鉱物資源開発戦略策定調査 (国際協力機構 2003-2006) 調査団員:渡辺 寧
モーリタニア・イスラム共和国において国際協力機構の実施している「鉱物資源開発戦略策定調査」(Strategic Plan Survey of Mineral Resources Development)」に参加し,モーリタニア全土の金属資源鉱徴地の地質調査を行うことにより同プロジェクトを推進することを目的とする.
モロッコ王国・鉱物資源探査技術向上プロジェクト (国際協力事業団 1998-2002) 短期派遣専門家:渡辺 寧
モロッコ王国の鉱物資源に関するデータベースをモロッコ鉱床探査開発公社(BRPM)と構築し,資源形成のメカニズムと探査指針を取りまとめ, 出版物,研究論文,ニュース記事として出版した.
モンゴル地質鉱物資源研究所プロジェクト (国際協力事業団 1994-1999) 短期派遣専門家:渡辺 寧
モンゴルの地質鉱物資源研究所に機材供与を行い,地質・鉱床調査技術向上のための技術指導を行った.
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ホンデュラス休廃止鉱山再評価プロジェクト (国際協力事業団 1991-1994) 短期派遣専門家:渡辺 寧
放棄されている金・銀・水銀鉱山の地質学的な埋蔵量を調査し,資源再評価・地質調査・鉱床探査技術開発を共同研究.
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