研究の流れ Flow of research in our group

1.研究テーマ設定 
 教員との話し合いにより研究テーマを設定します。研究テーマに関連する先行研究(論文)をレビューし、未解決な問題やこれまでの主張における問題点を見つけ出し、研究目的を設定します。


2.フィールドワーク 
 調査地域へ赴き、露頭の観察・記載やルートマップ・岩相(層序)分布図の作成、試料採取を行います。調査は一度とは限らず、必要に応じて何度も行うこともあります。ハンマー、クリノメーター、ルーペなどを用います。



3.試料観察 
 野外調査から戻ると、採取した試料の処理を行います。堆積物や火山灰の場合、粒度分析や実体顕微鏡下で粒子の観察を行います。また、岩石や火山灰・軽石から薄片(厚さ約30μm)を作成して偏光顕微鏡や電子顕微鏡で観察し、岩石を構成する鉱物の同定やその量比の測定、岩石・鉱物にみられる組織の観察を行います。



4.化学分析 
 先の試料観察・記載で得られた情報をもとに、SEM-EDSやEPMAを用いて鉱物の化学組成分析を行います。また、岩石試料について、XRF(蛍光X線分析装置)を用いた全岩化学組成分析や、質量分析計を用いた同位体組成分析を行います。



5.データ解析・考察 
 2~4までの結果を総合して、これまでに得られたデータの解釈を行い、1で設定した研究目的について何をどこまで明らかにできたかを考えます。ここでは、得られたデータについて、先行研究で得られているデータとの比較検討を行ったり、先行研究で提案されていることとの整合性なども検討します。そうした作業を通じて、得られたデータの意義を考えます。



6.発表・論文作成 
 得られた研究成果は、学会で発表し国内外へ発信します。その中で関連分野の他の研究者と議論したり、アドバイスや批評をもらうことで研究をさらに良いものにできるでしょう。研究論文として科学雑誌に投稿することもあります。