学会のご紹介

日本素材物性学会長   柴山 敦

 

 平成27年6月25日(水)に開催された役員会、総会で、日本素材物性学会の4代目会長に就任させていただくことになりました秋田大学の柴山 敦と申します。
会長就任にあたって簡単にご挨拶させていただきます。

 

 日本素材物性学会は、その名の通り素材に関わる工学分野を中心に、「従来の工学分野を再精査し、新しい概念に向けて融合と統合を図りつつ、素材分野が抱える工学的諸問題の解決に学術的に挑戦し、地球規模的課題にも取り組むことで、関連工業の発展に貢献すること」を理念・目的に掲げ、平成2年4月に設立されました。学会の歴史としては、ちょうど四半世紀を迎えたことになります。
 素材分野に特化した学会と見られがちですが、素材を支える資源やエネルギー問題、ライフサイエンスや環境技術、機械システムや電子デバイスなど幅広い分野を扱っているのが特徴です。
 日本素材物性学会の主な活動は、年に1回年回を開催しているほか、学会誌の刊行を主な業務とし、和文誌「素材物性学雑誌」と英文誌「International Journal of the Society of Materials Engineering for Resources」を定期刊行しています。これらの活動が評価され、平成11年11月には日本工学会の正会員として登録されました。また平成25年からは、学術誌に掲載された論文がJ-Stageを通じて公開されるようになりました。
 特に重要な活動として、ほぼ4年に1度の割合で、国際会議「素材物性学国際会議(ICMR AKITA "International Conference on Materials Engineering for Resources")」を開催し、世界的な研究者等と議論する学術交流の場を設けています。直近では平成25年(2013年)11月に7回目の国際会議を開催したばかりですが、次回平成29年の開催に向けて準備を始めようとしているところです。その他にも、話題性のあるテーマに着目し、研究会などを企画開催することもあります。
 最近では、グローバルな資源問題から新素材の開発、環境保全、ライフサイエンスから医理工の融合、電子デバイスや機械システム産業など、素材を取り巻く分野が多様化し、日々技術革新が進んでいます。日本素材物性学会も、社会とのつながりや産学官連携、教育研究のグローバル化に応えつつ、基礎と応用面から次世代を支える技術開発の一端を担っていく必要があります。資源と素材を中心に幅広く情報を発信し、本学会の使命を果たしてまいる所存です。学会活動を活発にするためにも、多くの論文投稿や例会等への参加をお待ちしています。
 これからの素材物性学は多角的に見ていくことが必要になるでしょう。本学会が扱う多様な分野に興味を持ち、意欲あふれる方々の入会を心よりお待ちしております。

 

平成27年6月 会長挨拶に代えて