天体望遠鏡の選び方
架台の種類
- 経緯台
◎構造が簡単なので組み立てやすく、扱いも簡単です。
△100倍以上の高倍率による長時間の観測にはやや不向きです。
△長時間露光による天体写真撮影などには使えません。 - 赤道儀
◎長時間の星の追尾が可能です。
◎高倍率での観測や天体写真撮影に適しています。
△動きがやや複雑なため、扱い方に慣れる必要があります。
鏡筒の種類
- 屈折式
◎視界全体が常に安定していてコントラストも良く、あらゆる天体の観測に対応します。
◎保管時の手入れなども特に必要なく、大変扱いやすいのが特徴です。
○太陽投影板をもちいると太陽面の観察ができます。
△レンズを数枚使うため、他形式の鏡筒と比べると重くなります。 - 反射式
◎中心部の像がシャープで、色収差(像の周りに色がついてしまうこと)がありません。
○大口径のものでも、比較的手頃な価格で入手できます。
△室内と室外で温度差がある場合、筒内気流が発生することから、使用前に外気温に慣らす必要があります。
用語解説
- 倍率
肉眼で観測した時の「1/倍率」の距離まで近づいたのと同じ大きさで見ることができることを意味します。
天体望遠鏡の倍率は、接眼レンズによって変えることができます。
倍率=対物レンズ(主鏡)焦点距離÷接眼レンズの焦点距離 - 対物レンズ(主鏡)有効径
対物レンズ(屈折式)、対物主鏡(反射式)有効部分の直径です。径が大きいほど集光力があり、解像力が優れています。 - 焦点距離
レンズの中心から焦点までの距離です。焦点距離の違いにより、同じ接眼レンズでも倍率が変わります。 - 口径比(F値)
焦点距離を対物レンズ(主鏡)有効径で割った数値です。数値が小さいほど明るい像を得られることを意味します。 - 分解能
どのくらい細かい所まで見分けられるかを表すもので、角度の秒で表します。数値が小さいほど細かいところまで見えることを意味します。 - 極限等級
何等星まで見ることができるかを表しています。数値が大きいほど、暗い星が見えることになります。 - 集光力
人間の目に比べてどのくらい光を集められるかを表します。数値が大きいほど、明るく見えることを意味します。