土木環境工学とコースの紹介

より豊かな地球環境に配慮した社会基盤整備を行うための工学を学ぶ


土木環境工学コースでは、自然環境・社会環境に配慮した社会基盤の整備・維持・管理や安全・快適・な地域環境の創造・保全についての教育研究を行います。構造力学、建設材料学、水理学、交通システム計画などを中心として、安全・安心・快適な地域環境を創造・保全する技術について学びます。

土木環境工学の理念


土木技術は「自然の偉大な力の源泉を人類に役立たせるための技術」といわれています。公共施設の建設を通して、安全で快適な環境の創造により人間の生活環境の向上に貢献してきました。しかし、社会資本を整備するために現在の豊かな自然環境を破壊してよいとは限りません。土木環境工学コースでは5つの基礎的な分野における研究と教育をベースとして、災害に強く快適である持続可能な社会基盤の整備のあり方について学んでいきます。



養成する人材


本コースの特徴は、1998年4月の学部改組において、それまでの時代的、地域的背景から土木工学を見直し、ノーマライゼーション理念のもと人類愛に基づく人生観や地球規模での環境感を持ち、質の高い侍読可能な社会の発展に資する基盤的施設の設計、整備を行う人材の養成を目的として、『人類の生活空間に係わる諸現象を調査・分析し、公共の福祉の立場に立つとともに環境昨日を重視した新たな生活空間を創出する技術について教育・研究するもので、「土木工学」に「環境科学的体系」を組み合わせて創出された学問分野』として「土木環境工学」を定義したことです。このような教育・研究理念に基づいて、以下の知識と能力を備えた技術者の育成を目指しています。

(1)福祉をめざした快適な都市・地域社会の創造に関する知識と能力を備えている

(2)環境に適合した構造物の設計と施工に関する知識と能力を備えている

(3)水環境と地盤環境の保全、改善に関する知識と能力を備えている

教員からのメッセージ


土木は有史以来、ひとが安全で快適に便利に生活するための「基盤」を造り、そしてそれを守るための学問であり、そしてそれを応用する技術でもあります。皆さんが普段何気なく生活しているときは勿論のこと、ひとたび災害が起きればそこから一刻もはやく復旧・復興して、安心して生活するためのハードとソフトが必要です。この基礎となるのが「土木」です。ひとが生きていくためには、個人であれ組織であれ様々な問題を解決していかくてはなりません。この問題解決能力を養うためには、「机上」と「現場」の両者が味わえる「土木」の世界はとても魅力があると思います。土木は工学の全ての技術と関連しますし、地球物理を始めとした理学とも関連が深い学問です。幅広い可能性にチャレンジしてみませんか?


みなさん「土木」というとどんなものを思い浮かべますか?土木は道路や橋梁、鉄道といった社会インフラを支えている質実剛健な学問ですから、そのイメージは少々お堅いかもしれません。…確かに。土木工学は堅実で、社会に広く必要とされていて就職も安定している、そんな学問分野といえるでしょう。でもそれだけじゃないんですよ。私の専門は地盤工学なんですが、そういった研究の一方で、近い将来の月面でのインフラ開発を見据えて月地盤の性質を推定するという、一見浮き世離れした研究もおこなっています。どうですか、ちょっとワクワクしませんか?質実剛健+ワクワク感、それが土木工学なんです。みなさんも一緒に「土木」してみませんか?

先輩からのメッセージ
近藤 夏実さん

築土構木


土木環境工学コース4年
近藤 夏実さん(秋田県出身)


土木という言葉は築土構木という言葉を詰めてできたといわれています。土を築き木を構えより良い社会基盤を造るのが土木という学問です。社会基盤を造る学問ですから土木でやっている事は幅広いです。例えば、構造力学を使う分野もあれば流体力学を使う分野もあります。土木構造物は自然の中にあるので構造物がおかれる環境は個々で異なります。つまり、構造物を設計する上での課題や利用していて生じる問題が異なります。問題を解決するためには、多くの方向から物事を観ることが大切です。だから、どの分野も意欲的に学んでいきましょう。大学で培った物事を論理的に解決する力は社会に出てからも役立つはずです。私たちと一緒に土木を勉強してみませんか。

鈴木 信一郎さん

大学院に進学して


土木環境工学コース 博士前期課程1年
鈴木 信一郎さん(福島県出身)


自分が大学院に進学して感じたことは、自分自身の潜在能力を引き上げ、それにより将来の選択の幅を広げることができる場所があるということです。大学院は学部時代に培ってきた知識をより幅広く学び、その得た知識を用い研究をし、そして実践していきます。これにより自分が持つポテンシャルをより幅広く引き出すことができるようになり、今まで見えてこなかった可能性を発見することができます。こうして将来自分が何をしたいか、何ができるか、何が向いているかという選択の幅が広がり、自身の魅力や能力を引き上げることができます。また、もちろん研究や講義、様々な発表などで忙しくはあるのですが、その中でも自分の好きにできる時間は確保することができます。その時間は自分の好きに使い、研究や進路にとらわれないで、自分を解き放つことができます。これによりまた違った自分自身を発見することができ、また違った将来の可能性を見つけられると考えます。このように、自分自身の将来が見えず不安な方、知識を広げ更なるポテンシャルを引き出したい方は、ぜひ大学院に入って自分自身の可能性を広げてほしいと思います。

大学院の特色
大学院では、土木環境工学コースで学んだ5つの分野(構造学力、水理学、土質工学、都市・交通工学、コンクリート工学)に関する知識や技術を応用して、さらに専門的な最先端の研究・教育を行っています。
コースの歴史
土木環境工学コースの歴史
明治43年 秋田鉱山専門学校創立
昭和24年 秋田大学(鉱山学部)設立
昭和41年 鉱山学部鉱山土木工学科設置
【定員40名、4講座:基礎、コンクリート、道路、水工】
昭和45年 鉱山学部土木工学科設置(名称変更)、第1回卒業生、大学院鉱山学研究科に土木工学専攻が増設
平成3年 鉱山学部土木環境工学科へ改組再編
【定員45名(臨増5名)、2大講座:建設構造工学、地域環境工学】
平成10年工学資源学部土木環境工学科へ改組再編
【定員62名、3大講座:福祉環境工学、環境構造工学、地域環境工学】
平成13年 学生定員再編【定員55名、編入5名】
平成14年 大学院鉱山学研究科を大学院工学資源学研究科に改組
平成20年 学生定員再編【定員51名、編入5名】
平成26名 理工学部システムデザイン工学科 土木環境工学コースへ改組再編
【定員45名、3年次編入3名、5研究分野:福祉環境工学、環境構造工学、環境材料工学、地盤環境工学、水環境工学】
卒業生数◎2034人(昭和45年~平成26年:45回)

修士修了生数◎288人(昭和47年~平成26年:43回)
博士修了生数◎14人(平成9年~平成26年)