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Current Research

テラヘルツ波は1011 Hz (3 cm-1)~1013 Hz (333 cm-1)の領域に属する電磁波です。テラヘルツ領域の周波数における吸収スペクトルは、分子間の相互作用及び格子振動等の情報を提供するため、新たな材料解析法として応用が期待されています(図1)。
  多孔質構造を持つMOF(金属有機構造体)はゲスト分子を吸着する際の格子振動の領域がテラヘルツ帯に当たることから1)、当研究室では、MOFに対してテラヘルツ分光法を用いることでゲスト分子の識別への応用を目指しています。 現在はMOFの一種であるZIF-8 (zeolitic imidazole framework-8)が特定のガス分子を吸着することに着目し研究を行っています。 その結果、ガス分子の吸着によるZIF-8の格子振動の変化は2 THzに現れることが明らかとなりました(図2)。図2ではZIF-8にゲスト分子が吸着すると,細孔を形成する2-メチルイミダゾールとブタンが相互作用のために,2 THzの吸収振動がなくなっていることが分かります。(本研究は秋田大学地方創生センター 丹野 剛紀 准教授との共同研究です。)

THZ1



図1 テラヘルツ分光装置の模式図2)


THZ2

図2 ZIF-8にゲスト分子を曝露させたときのテラヘルツスペクトル

 
1)Tan , N.Y., Ruggiero, .M,T., Orellana-Tavraian, C., Tian, T., Bond, A.D., Korter, T.M., Fairen-Jimenez, D., and Axel Zeitler, J., Chem. Commun., 51, 16037-16040 (2015)
2) Nishizawa, J., Suto, K., Sasaki, T., Tanno, T., Proc. Japan Acad. Ser. B, 81, 20 (2005)

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